ダイエット中の朝ごはん「心得ておきたいこと」と「おすすめ食べ物」

ダイエットをする上で心得ておきたい朝ごはんについてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。


■朝ごはんを食べる「メリット」2選

【1】腸を刺激できる

村田友美子さん
姿勢改善コアトレーナー
(むらた・ゆみこ)スタジオ「Yumi Core Body」代表。ピラティス、体幹トレーニング、整体の資格を取得後、ほぐし、ストレッチ、呼吸と体幹トレーニングの組み合わせにより姿勢と骨を改善する独自のメソッドを考案。女性らしいくびれのある「立体3D BODY」づくりに定評がある。スタジオは東京都内4か所、大阪に1か所あり、ワークショップも随時開催中。著書『膣締めるだけダイエット‐くびれと健康がとまらない!‐』も大反響。3児の母でもある。


朝食は腸を目覚めさせる大切なスイッチ。睡眠中は、胃腸はしっかり休んでいるので、胃に食べ物や飲み物が入ると、その重みが大腸を刺激して、腸が便を送り出す「ぜん動運動」が活発になります。 そのため、村田さんは絶対に朝食を抜かないそうです。

「起きてすぐ、30分以内に朝食を食べます。起きがけすぐのほうが腸への刺激が大きく感じられるからです。食べて数分後には、スルスルーっと便が出ます。朝食はたくさん食べる必要はありません。起きてすぐ水を飲むだけでも腸には刺激になるくらいです。少量でも、起床後すぐに刺激を入れて、眠っている胃腸を起こしてあげてください」(姿勢改善コアトレーナー 村田友美子さん)。


【2】効率良くたんぱく質を摂取できる

上西 一弘 先生 女子栄養大学教授
スポーツ栄養学の研究やスポーツ選手のサポートなどを行っている。『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)、『たんぱく質で痩せる&リバウンドSTOP‼ 新ダイエットごはん』(日本文芸社)など、たんぱく質に関する著書多数。


朝は時間がないし、食欲もわかないから、コーヒーとパンだけ、という人も多いのでは? このような食生活では、効率よくたんぱく質を摂取できません。1食のたんぱく質が少なすぎると、筋肉を合成するスイッチが入らず、筋肉の分解が始まってしまうからです。朝食でしっかりたんぱく質を摂取すれば、睡眠中に進んだ筋肉の分解を抑え、すばやく合成に転じることができます。大切な筋肉を削らないためにも、たんぱく質は小まめに摂取しましょう。たんぱく質が足りないと思ったら、間食にヨーグルトなどもおすすめです。


■朝ごはんを抜く「デメリット」2選

岸村康代さん
フードプランナー、管理栄養士/野菜ソムリエ上級プロ、一般社団法人大人のダイエット研究所代表理事
(きしむら やすよ)大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、商品開発、病院での指導などを経て、独立。日本野菜ソムリエ協会ビューティーフードプログラムの監修をつとめる。メタボ指導の現場で10kg減、20kg減という数々の健康的なダイエッ トのサポートをしてきた経験や野菜ソムリエ上級プロなどの資格も活かし、商品開発、講師、執筆、メディア出演など、多方面で活動中。目的別に効率よく栄養を摂る“パワーフードスタイル”を提唱し、商品開発やツール製作なども手がけている。


【1】ドカ食いを招きやすい

朝はギリギリまで寝ていたいから朝食は食べない。昼も忙しくてランチに行きそびれた。夜、ようやく仕事が終わってゆっくり食事ができると思って、がっつり食べる。そんなサイクルになっていませんか?「朝食や昼食をしっかり食べず、空腹の時間が長すぎると、夜のドカ食いを招きやすいです。また、長時間の欠食後は血糖値も上がりやすく、肥満につながりやすいのです」(岸村さん)。食べすぎの原因は1日1食生活が原因のひとつというわけです。ダイエット中もきちんと3食摂ることが成功への近道なので、「夜に食べるからいいや」と考えるのはやめましょう。


【2】カロリー調整が困難に

望月理恵子さん
管理栄養士
(もちづき りえこ)株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。


飲み会の「前」に食事を抜くのは逆効果!

「今晩は飲み会だから、そのぶんカロリー調整しなきゃ」と、ランチを食べなかったり、ごく少量で済ませたりすることはありませんか? 実は、この作戦は、ダイエットにおいては逆効果! 「ランチを抜いて空腹状態で夜、飲食をすると、血糖値が急上昇したのち、急降下します。血糖値が急降下すると、体が“エネルギーが足りない”と勘違いして、食欲が止まらなくなってしまうおそれがあります。また、空腹状態では、胃腸がアルコールをよく吸収して酔いやすく、判断力が鈍って、いつも以上に飲み食いしてしまうなんてことも…。カロリー調整したいなら、飲み会の“前”ではなく、飲み会の“後”をおすすめします。つまり、当日のお昼を抜くのではなく、翌日の朝食やランチを軽めにしましょう」(管理栄養士 望月理恵子さん)。今日は、お昼を抜いたから大丈夫!…という油断からも、暴飲暴食につながりやすいかもしれませんね。当日のランチはいつも通り摂って、飲み会ではお酒や食事の量をきちんとコントロールしましょう。


■朝ごはんにおすすめの「食べ物」2選

【1】「食物繊維」を積極的に

岸村康代さん
フードプランナー、管理栄養士/野菜ソムリエ上級プロ、一般社団法人大人のダイエット研究所代表理事
(きしむら やすよ)大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、商品開発、病院での指導などを経て、独立。日本野菜ソムリエ協会ビューティーフードプログラムの監修をつとめる。メタボ指導の現場で10kg減、20kg減という数々の健康的なダイエッ トのサポートをしてきた経験や野菜ソムリエ上級プロなどの資格も活かし、商品開発、講師、執筆、メディア出演など、多方面で活動中。目的別に効率よく栄養を摂る“パワーフードスタイル”を提唱し、商品開発やツール製作なども手がけている。


野菜が足りていない体も痩せにくい。

◎血糖値上昇を防ぐため、食物繊維をたくさん摂る

「食物繊維には余分な脂質やナトリウム等を体外に排出する働きもあります。食物繊維が不足すると腸内環境が悪化し、便秘を招いたり、脂肪や老廃物を溜め込みやすい体をつくります」(フードプランナー、管理栄養士 岸村康代さん )。岸村さんによると、特に朝、食物繊維が豊富なものを食べると、次の食事の血糖値の上昇も防げるという研究報告があるとか。女性は1日に18グラム以上の食物繊維が必要とされているそうなので、ごぼう、枝豆、オクラ、かぼちゃなど食物繊維豊富な野菜や大麦などの雑穀、海藻をたっぷり摂るように心がけましょう。


【2】時間がないときは「フルーツ+ヨーグルト」

藤橋ひとみさん
管理栄養士、I’s Food & Health LABO. (アイズフードヘルスラボ)代表
(ふじはし ひとみ)毎日の食事で心身のトラブルを予防・改善できる社会の実現を目指し、フリーランスの管理栄養士として活動中。東京大学大学院、医学博士課程在籍。EBN(科学的根拠に基づく栄養学)の考え方を大切に、コラム執筆・監修、メディア出演等、健康情報を伝える活動や、食と健康の専門家のスキルアップ支援を行う。大の大豆・発酵好きで、国内外にてその魅力を発信している。2020年5月に「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ」を出版。

◎ヨーグルトでたんぱく質を摂るのがおすすめ

フルーツと組み合わせるおすすめは?

食欲がなく慌ただしい朝は、食事をなるべく軽く済ませたい人も少なくありませんが、フルーツだけというのは問題ありでしょうか?「午前中のパフォーマンスを下げないよう脳に糖質を補給するためには、何も食べないよりは、バナナ1本でも食べたほうがよいと思います。ただ、フルーツで糖質、ビタミン、ミネラルは摂取できても、体の構成成分であるタンパク質をとることはできません。それを補うために、ヨーグルトを一緒にとるとより食事としてのバランスが整います。“フルーツ+ヨーグルト”は、腸内環境改善のためにも役立つ組み合わせです(*1)」(藤橋さん)。“フルーツ+ヨーグルト”であれば、誰でも簡単にとることができそうですね。

*1 厚生労働省|e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」


◎朝バナナダイエットは理にかなっている?

柳井美穂さん
RIZAP 教育開発部 管理栄養士 NRサプリメントアドバイザー (やない みほ)東京農業大学 応用生物科学部栄養科学科卒業後、都内短大の栄養学科に助手として勤務。その後食品メーカーの開発研究所勤務を経てRIZAPに入社。店舗カウンセラーを経て、本社の教育部門に異動。医師や医療機関との共同研究プロジェクトに参画するなど、RIZAPメソッドを栄養面から積極的に支える。低糖質食品の開発や、レシピ本の数々を監修、その他、パーソナル料理ジム「RIZAP COOK」の栄養サポート、CSR活動「EGAOプロジェクト」にて子どもたちと保護者へ食育教室を開催するなど、健康的な食事の大切さを広めている。

朝バナナダイエットとは?

「朝バナナダイエット」とは…毎朝、朝食にバナナ1~2本と水を摂取すること。

●効果は期待できる?

「朝から適度な糖質摂取は体内時計をリセットできて、1日のスタートとしてとても良いですね。バナナは食物繊維も多いので、血糖値の急激な上昇を抑制できますし、お通じにも良いですね。手軽に食べられることも、忙しい朝には適しています。しかし、たんぱく質が足りないので、ヨーグルトやスムージーなど、何かほかのたんぱく質を含む食品と一緒に摂取することがおすすめです」。

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