髪のパサつきを対処する方法まとめました。乾燥した髪に潤いを与えてくれるシャンプーやトリートメントのほか、広がりを抑えてなめらかに整えてくれるヘアオイルをご紹介します。
髪の乾燥・パサつきの「原因」
【1】ドライヤーを間違った方法でかけている
CHINATSUさん
MAGNOLiA Aoyamaデザイナー
(ちなつ)髪悩みを抱える40代、50代の女性たちと真摯に向き合い、個々の骨格、髪質、雰囲気に合わせたヘアデザインを提供してくれる。とくに悩みをカバーするパーマ技術、スタイリング術は定評があり、大人世代から厚い支持を得ています。
毎日のドライヤーのかけ方で見た目の印象は変わる。
そもそも、ドライヤーのかけ方で見た目の印象は大きく変わるのでしょうか?
「根元の乾きが甘いまま毛先をメインに乾かすとオーバードライになり、髪を傷めるだけでなく、広がり、乾燥など、老け見えの原因になってしまいます。理想的なのは、ドライヤーをかけた後、『髪の水分が十分に保たれて艶がある状態』。そのためには、根元→中間→毛先の順に乾かして、全体的に均一な水分量を保つことが大切です」(MAGNOLiA Aoyama デザイナー CHINATSUさん)。キューティクルの流れを逆立てるような乾かし方もNGなのだそう。「キューティクルが整わない状態では、光が乱反射して見えたりパサついた印象になってしまいます。キューティクルの流れに沿って、ドライヤーを上から下に向けて乾かすのがコツ。艶やかで光沢のあるヘアスタイルに仕上がります」(CHINATSUさん)。
【2】年齢による変化
乾燥している毛髪が大気中の湿気を吸収し、水分を含むことで膨らむ。
「35歳を過ぎるとホルモンバランスが変わり、体内のコラーゲン量が徐々に減少していきます。すると、栄養が十分に届かず、毛髪も乾燥状態に。梅雨時期は、この乾燥している毛髪が大気中の湿気を吸収し、水分を含むことで膨らみます。これがうねりや広がりを引き起こしている原因なのです」(CHINATSUさん)。
【3】紫外線によるダメージ
深澤亜季さん
美容家
美容家歴20年。幼少期をタイで過ごしながらも、現在は透き通るような美白肌の持ち主として数多くのメディアで活動。美白をテーマにした著書は、アジアでも翻訳出版されている。独自のビューティメソッド「ルンルンビューティー(R)」では、年齢や日々溢れている美容情報に惑わされず、自分らしい美しさと自分の“ルンルン” が高まると大好評。
「紫外線のダメージは、髪や頭皮にも影響を及ぼします。紫外線ダメージは、乾燥や抜け毛の要因にも。季節の変わり目は抜け毛が多くなると言われていますが、秋にぎょっとするほど抜け毛で悩まされないために、今からコツコツとケアを始めましょう。また、プレシャス世代の方ですと、髪や頭皮にもエイジングサインが気になるところ。頭皮ケアを取り入れることで、乾燥や抜け毛を予防できるだけでなく、これから生えてくる髪が健やかになります。今は女性用の頭皮ケアアイテムが充実しているので、シャンプーやプレオイル、エッセンスなど、取り入れやすいものやお悩みに合わせて選んでいただけたらと思います」(美容家 深澤亜季さん)。
【4】栄養不足
美香さん
AMATA代表・毛髪診断士
美容業界では異色の元ファッションデザイナー。本当に自分が行きたい大人のためのヘアサロン「AMATA」をオープン。サロン経営、マネージメント業などを行う傍ら、商品プロデュースやコンサルティング業もこなす。毛髪診断士の資格をもち、髪や頭皮を健康に導くための提案を行っている。
「健やかな美髪を取り戻すために不可欠なのが、バランスのよい食事です。とくにたんぱく質やビタミン類、亜鉛などのミネラルは積極的に摂取したいところですが、気をつけていても不足しがちな栄養素が出てくるもの。また知らず知らずのうちに摂取している食品添加物は、亜鉛の吸収を妨げます。しっかり摂取しているつもりでも、効果的に働いていないという場合も。とくに亜鉛は、髪や爪を健康に保つために大切な栄養素で、欠乏すると乾燥を招き、髪や爪ももろくなってしまいます。「サプリメントを上手に取り入れて、髪に必要な栄養素を補いましょう。最近は美髪を育むことに特化したサプリメントや天然由来のマルチ栄養素をタブレットにしたもの、ビタミンCを吸収力を高めるためにリポソーム化したタイプも増えていますので、チェックしてみてください」(AMATA代表・毛髪診断士 美香さん)。
【5】水分不足
「体の約60%を占める水分。水分は、体温調節のほか、栄養素や酸素を運んだり、浄化作用や老廃物の排出といった循環まで助けてくれます。体内の水分が不足している状態だと血液がドロドロになってしまい、美髪を育むための栄養分や酸素、水分が行き渡らなくなるばかりか、頭皮や髪の乾燥にもつながります。血液の濃度を整えてあげることにより、体全体の細胞、もちろん毛髪をつくりだす毛母細胞も活性化していきます。食べ物に含まれる水分もありますので、一日に1.5リットルを目安に水分摂取を。一度に飲むと、吸収されないうちに尿量だけが増えていくので、1時間に180ccくらい、少しずつ補給していくのがポイント。また冷たすぎる水は、内臓に負担をかけるので常温での摂取がおすすめです」(AMATA代表・毛髪診断士 美香さん)。
髪のパサつきや乾燥を防ぐ「方法」
【1】乾燥しない髪の「乾かし方」
〈まずはタオルドライ〉
「地肌→根元→中間→毛先の順に水分を取る。地肌と根元はこするように、中間から毛先にかけてはギュッギュッとタオルで髪を握るように水分を取ると、キューティクルを傷つけることなくタオルドライできます」(CHINATSUさん)。
〈タオルドライ後にアウトバスをつける〉
「ファーストタッチは毛先。毛先につけたら、徐々に中間まで伸ばします。目の荒いコームでとかしたり、指で髪を挟んでゆっくり下に伸ばしていくと、キューティクルが整いトリートメントの浸透が深まります。トリートメントの種類によっては、根元まで伸ばすとボリュームダウンの原因となってしまうので注意して。基本、根元は生えて間もない部分なのでケアの必要はありません」(CHINATSUさん)。
〈ドライヤー〉
STEP1:髪の根元を立ち上げる
頭を下に傾けながら、根元を立たせるように乾かす。ドライのプロセスで一番重要。
STEP2:髪の中間を乾かす
髪の内側、外側から温風をまんべんなく当てる。
STEP3:毛先をまとめる
手で毛先の毛束を指に巻きつけるように乾かすとまとまりが出る。
STEP4:冷風でキューティクルを引き締める
全体を温風で乾かしたら、30秒ほど冷風を当てる。するとキューティクルがしっかりと整う。
【2】髪内部の水分量をコントロールしてくれるシャンプーをセレクト
髪がうねってまとまらない人の髪内部はタンパク質分布が不規則で偏っていて水分量が一定でないのも特徴です。乾燥ダメージによって、くせやうねりが強まるので、シャンプーやアウトバストリートメントを選ぶときは、保湿力の高さをひとつの基準にするとよいでしょう。
おすすめの「シャンプー・トリートメント」5選
【1】アヴェダ「ニュートリプレニッシュ」
左/アヴェダ ニュートリプレニッシュ シャンプー ディープ 250ml ¥4,950・1000ml ¥15,400、右/同 ニュートリプレニッシュ コンディショナー ディープ 250ml ¥5,610・1000ml ¥17,600
オーガニックザクロオイルなどスーパーフード由来の植物成分が配合された、髪の芯まで潤いで満たすドライヘア用のヘアケアシリーズ「ニュートリプレニッシュ」。シリコンフリーでありながらクリーミーなテクスチャーで、潤い豊かな感触の髪に仕上げます。アロマは、ココアやカルダモン、ジンジャーを中心とした、心まで満たされる贅沢な香り。髪が非常に乾燥している方や、硬毛、髪の量が多い方におすすめなのが、「ディープ」タイプ。スーパーフード由来の植物成分が髪に枯渇した脂質を補い、深い潤いでしっとり保湿します。乾燥でパサついた髪も、健康的なコンディションに。
【2】ケラスターゼ「 バン クロノロジスト R」
上/ケラスターゼ バン クロノロジスト R 250ml ¥5,170
マイズオイル、カメリアオイル、アムラオイル、アルガンオイルなど髪をやわらかくなめらかに整えるユイルコンプレックスを配合。豊潤な泡立ちで優しく洗い上げます。
【3】シスレー「ヘア リチュアル」
左/シスレー ヘア リチュアル ヘアケア マスク 200ml ¥12,980 右/同 ヘア リチュアル ストレートニング シャンプー 200ml ¥10,450
美髪へと導く最強コンビ。ヘア リチュアル ストレートニング シャンプーは、毛髪を1本1本包み込んで栄養を補給し、毛の表面をなめらかに整え、うねりやくせを解消するタイプ。ヘア リチュアル ヘアケア マスクは、4種類の植物オイル、植物エキス、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどを高濃度に配合。4週間でキューティクルがなめらかに整い、毛髪を再構築します。
【4】ジョンマスターオーガニック「R&P」
左/ジョンマスターオーガニック R&P シャンプー N・右/同 R&P コンディショナー N 236ml 各¥3,350
すっきりとしたローズマリーとペパーミントの爽快感あふれる香り。毛先までサラサラで軽い仕上がりなのに、ボリュームダウンしがちな夕方まで、根元にふんわりとしたボリュームを与えてくれます。
【5】ハホニコ「ケラテックス ファイバー」
左から/ハホニコ ケラテックス ファイバートリートメント 250g ¥3,850、同 ケラテックス ファイバーシャンプー 300ml ¥3,850
髪の老化現象のひとつに髪がうねるというサインがあります。どんなに直毛な人でも出る症状で、このうねりが出ると、まとまりにくくなるうえ、光をキレイに反射できず、ツヤがなくなってしまいます。そんな元凶のうねりですが、ハホニコのシャンプー&コンディショナーには、髪と同じ成分である「ケラチン」が3〜4種も入っていて、髪をまっすぐに整えるという効果も発揮してくれるのです。指通りもなめらかになってツヤやかな髪に復活する優れものです。
パサつきや広がりを抑えるおすすめの「ヘアオイル」7選
40代以降のヘアオイルは、重い質感のものを避けるのが正解。髪だけでなくボディにも使えるか否かをオイル選びの基準に。肌にもつけられるマルチオイルはベタつかない軽やかなものが多いので、ペッタリ仕上がるなどの失敗を回避できます。
1.ジョエルロティ トラックオイル No.1 90ml ¥4,180、2.ナプラ N.ポリッシュオイル SC 150ml ¥3,740(サロン専売品)、3.シン ピュルテ トゥーグッド マルチベネフィットオイル 50ml ¥3,850、4.ホーユー NiNE マルチスタイリングオイル ライト 100ml ¥3,080(サロン専売品)
【1】ジョエルロティ 「トラックオイル No.1」
ベタつかず軽やかなテクスチャーながら、保湿力が高いヘア&スキンオイル。こちらもオリーブ果実油やヒマワリ種子油などの天然由来成分のみを使用。
【2】ナプラ「 N. ポリッシュオイル SC」
ウエットヘアの火つけ役。シアバターなどの天然由来成分だけでつくられており、アウトバストリートメント、ボディオイルとしても使える。セージの香りが心地よい。
【3】シン ピュルテ 「トゥーグッド マルチベネフィットオイル」
髪や肌になじみやすいコメヌカ油、アルガンオイルを使用。美容成分も豊富で艶やかに仕上がる。香りにもこだわり3種から選べる。
【4】ホーユー 「NiNE マルチスタイリングオイル ライト」
テクニックなしでもヘルシーなウエット感と繊細な毛束感をつくることができるマルチオイル。コメヌカ油ベースにサトウキビ由来のヘミスクワランオイルを配合。
【5】アヴェダ「ニュートリプレニッシュ マルチユース ヘア オイル」
アヴェダ ニュートリプレニッシュ マルチユース ヘア オイル 30ml ¥6,710
ザクロ種子とココナッツ、アボカド、ヒマワリ種子、アルガンといった5つの植物オイルが配合された、100%自然界由来成分でできた、洗い流さないトリートメント。乾燥でパサついた髪に深い潤いを与え、サラサラな髪へと仕上げます。入浴前のプレシャンプートリートメントや、スタイリング時の艶出しとして使うのもおすすめです。
【6】ナチュラルコスモ「薔薇椿オイル」
ナチュラルコスモ 薔薇椿オイル 31ml ¥4,950
椿オイルの概念をくつがえす、サラリと軽い軽い使用感。洗髪後のアウトバストリートメントやスタイリングオイルとして使用するだけでなく、顔やボディ、ネイルやリップケアにも使えるので1本持っておきたい。オーガニックのダマスクローズの香りも心地よい。
【7】ダヴィネス「オーセンティック オイル」
ダヴィネス オーセンティック オイル 140ml ¥5,940(コンフォートジャパン)
抗酸化力の高いベニバナ油に、保湿効果と栄養価の高いオーガニック由来のホホバオイル、ひまわり油、セサミオイルをブレンド。傷みを補修し艶やかな質感に。フェイス、ボディにも使用可能。